実践_岸畑式教育方針

第8回:子から教えられる子育ての一助


 子育ての時期に、「正しく、よい母親、よい父親」になることばかりに、一生懸命になりお子さんと共に過ごす時間を楽しむことができていますか。お子さんから学ぶことを、心から感謝し誉めていますか。某小学校入試問題を作成した先生からのお話です。「この問題なら、この答えが返ってくるだろうと、自信をもって出題しても、大人が想定していない答えを返してくる。」その通りです。お子さんへ問題を投げ掛け、プロセスを考えさせたとき、教師が思いもつかない方法を提示してくることが多々あるのです。このように、お子さんからお母様が教えられることが日々、あるのではないでしょうか。
 塾通いのお母様は、「早くして、早くしないと遅刻するじゃないの。」と、声を掛けてもお子さんは、身動きもしません。お子さんは、愛犬に、「ね、いらいらせずに、いい子して待っててね。」と、話し掛ける娘にお母様は、いらいらするばかりです。お母様の負けです。お子さんは、お母様の行動を愛犬に託して批判しているのです。愛犬を媒体として言っているお子様に、教えられているお母様の一面でした。「お母さん、この言葉の意味、教えて・・・・・。」「あっ、ごめん。ごめん。忙しいときだったね。後でいいよ。」お子さんの何気ない一文に、思い遣りと気配りを感じると、お母様は、お子さんに教えられる一面でした。「お母さん、弟を泣かせすぎだよ。可哀想だよ。ぼくは、我慢してるから、大丈夫だよ。」お母様は、出産後、育児に手を取られ、兄や姉に我慢をさせ情緒不安定に陥ることが常です。「ありがとう。」両立させられないお母様の心を察する兄からのメッセージで、子育て法を教えられる一面でした。「お父さんへ、お疲れさま、いつもありがとう。先に2階へあがるね。おやすみなさい。」と、メモを置いている娘です。このメモを読んだときの父親の顔は、幸せそうでした。この様子をご覧になっていたお母様は、感謝の気持ちを忘れず、優しい気遣いを改めて、教えられた一面だったのでした。
 小学校入試を控えているお子さんたちの学習振りは、魔法にかかったような姿で時の経つのを忘れて、時間の制限なく努力を続けます。その間、周りのお母さんや子ども達は、おやつや軽食を摂っている気配がする環境で、一人のお子さんだけは、パン1個と、お茶をノートの傍に置いたまま見向きもせず、2時間半経過しました。「どうして食べなかったの。」と聞いても、笑みを浮かべるだけで、言い訳もなかったのです。きっと、自分の目標が達成するまでは食べないで努力しようとしたのでした。そして、喜びを味わったのです。5歳児のこの現状は、見上げたものでした。この様子をお母様がご覧になっていたら、何を学習されたでしょうか。
 このママンペールに関心を持ち、手に取ってくださったお母様であれば、日々の子育てからお子様に育てられていると、感じておられるはずです。子育てを心から楽しみ、お母さんの知恵そのものを、お子様に教育されているからこそ、お子様から教えられのです。母の知恵なくして子の知恵は望めません。つまり、お母様が知恵の素地をお子様に与えてこそ、お子様から新たな知恵を学ぶことができます。どうぞ、お子様と一緒に魔法の知恵を学び続けてください。

資料提供者:敬称略(滝口・平田・松本・その他)




東京学習社