中川産科婦人科ドクターのプレママセミナー

第12回:妊娠中の体重管理について

胎児の発育による適正な体重増加が必要で、太りすぎもやせ過ぎもよくありません。
望ましい体重増加は、妊娠前の体型によっても異なります。
食事の内容、とり方、生活の習慣を考えて体重の増加が適切か判断しましょう。
 正常妊娠の妊娠中の体重増加目標は、妊娠前の肥満の程度によって異なります。肥満度が標準的な人(BMI18.5~25.0未満)は7~12㎏、やせの人(BMI18.5未満)は9~12㎏の体重増加が勧められています。この程度の体重増加が、お母さんの体の異常が最も少なく、胎児の正常な発育と最も関連していることがわかっています。一方、妊娠前に肥満であった人(BMI25.0以上)は、血圧や血糖値の異常などと関連が深く個別に対応することになっていますが、概ね4~6㎏の体重増加が目標とされます。こうした妊娠前の肥満度に応じた正常妊婦の体重増加目標は、糖尿病や妊娠糖尿病の妊婦さんの場合にも用いられます。(※下記表1参照)
 お母さんの体重増加が少なすぎると、赤ちゃんの発育が不十分となり、早産の原因となります。最近、出生時の体重が軽い赤ちゃん(低出生体重児)が将来のメタボリックシンドロームの原因となることが明らかとなり、胎児期の正常な発育の重要性がクローズアップされています。
妊娠中の体重増加目標
 以前は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病の発生を防ぐために、妊婦の肥満のリスクを極力減らす対策が重視されていました。そのため子どもは「小さく産んで大きく育てる」のがよいとされ、妊婦の体重管理指導が厳しく行われてきました。しかし、そのような効果はなく、むしろ早産や低出生体重児の原因となることから、最近では適切な体重増加をきちんと得るようにと指導されます。
 逆に肥満傾向のある妊婦(BMI25.0以上)は、妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群を発症するリスクが高まり、やはり低出生体重児を出産する可能性が高まります。生まれてくる子のメタボリックシンドロームを防ぐため、妊娠前から適正な体重を保ち、適度な食事量と栄養のバランスを守って、生活習慣を心がけましょう。



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