中川産科婦人科ドクターのプレママセミナー

第11回:妊婦とアレルギー


       お母さんにアレルギー体質があると、赤ちゃんにも遺伝するのでは? 
       またアトピーにならないにようにどうしたらいいの?と心配されている方も多いようです。
       今回は、妊娠中のアレルギーについてお話します。 

 アレルギー疾患の発症は、遺伝的な素因と環境因子によるとされています。そのリスクは両親にアレルギー疾患がある場合は60~80%、片親で38~58%、家族歴のない場合15%といわれています。このようなリスクのある場合、「妊娠中にアレルギーに関わる食品をたくさん食べたから赤ちゃんに影響する」という訳ではありません。妊娠中に偏った食事制限をすることによる妊婦の体重増加不良や胎児の成長障害の方が心配されています。
 卵、牛乳、大豆の3種類のたんぱく質を”3大アレルゲン”と呼んでいます。特に卵と牛乳が影響出やすいようです。カルシウムや鉄分などの栄養バランスも大事なので、アレルギーの素因がある人が卵、牛乳を絶対に「摂取してはいけない」という訳ではありません。大切なのは偏らない食事を心がける事で、1日の摂取量を考える事です。

● 卵・牛乳
卵は1日1個以内、牛乳は1日1杯(200㎖)以内に抑えましょう。また加熱することでアレルゲンの作用が大幅に弱ります。

● 食品添加物
添加物もアレルギーと関わりがあるようです。インスタント食品、ファーストフード、スナック菓子などは元々妊娠中にもよくない食べ物です。外食や加工品にも注意が必要で、新鮮な素材を使った自分の家での調理が1番安心かもしれません。

● ハウスダスト
ハウスダストはアレルギーを起こすと考えられていますが、お母さんの胎盤を通して胎児に影響を与える事はないようです。しかし赤ちゃんが産まれてからはアレルギー発症の大きな原因になります。今からこまめな掃除、空気の入れ替えなどを積極的に取り入れハウスダスト対策をしておきましょう。

● ダニ・カビ
ダニやカビはアトピーを引き起こす原因です。畳、じゅうたん、ぬいぐるみなどは特に注意が必要でこまめな掃除、洗濯を心がけましょう。また湿気のあるお風呂場などはカビが発生しやすい所です。掃除と風通しをよくしてやって対策をとりましょう。

● 母乳・粉ミルク
粉ミルクは主成分が牛乳なので、母乳よりアレルギーを起こしやすいかもしれませんが、母親が食べたものの一部は母乳に移行するので、母乳だから絶対にアレルギーが起こらないというわけではありません。アレルギーの原因になるものを除去した粉ミルクなどもあるので、両親にアレルギーのある場合は予防的にそうしたものを使うとよいでしょう。




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