中川産科婦人科ドクターのプレママセミナー

第6回:出生前診断とは?


     出生前診断とは、子宮内の胎児の形態的な異常や機能的な異常を把握する、胎児診断です。 
     臨床的に実行可能な方法には、超音波検査、羊水検査、血液検査などがありますが、
     結果により人工妊娠中絶術が増えるのではないか?といった倫理的問題もありますので
     正しい知識をもって検査を受けることが望ましいでしょう。 

『羊水検査』
 妊娠15~17週頃にお腹に針を刺し、羊水中に含まれる胎児の細胞を調べる検査方法です。

・35歳以上の高齢妊婦 
・染色体異常児などを出生された方 などが対象です。

 比較的安全な方法ですが、検査の後で流産などを起こす可能性は0.5%以下とされています。羊水検査でわかる異常はごく一部で、内臓の奇形や、手や足の異常はわかりませんので、羊水が正常でも胎児が正常というわけではありません。
(費用:約9万円)

『新型血液検査』
 今年になり血液検査で胎児異常を診断できるという報道で話題になりましたが、日本では臨床研究として実施されています。妊婦さんの血液の中に含まれている胎児のDNAを、最新の医療技術を用いて検出するものです。胎児の13、18、21番(ダウン症候群)染色体の数が正常であるか、増加する異常を持っているかどうかを調べます。羊水検査と同様、35歳以上の高齢妊婦・染色体異常児を出産された既往のある方などが対象です。
  従来の採血による母体血清マーカー検査に比べて精度が非常に高いですが、確実に診断できるわけではありません。検査の結果が陽性と診断された場合は、羊水検査などの侵襲的検査によって確定診断をする必要があります。
(費用:約20万円)

 羊水検査、血液検査を受けるにしても、専門家による遺伝カウンセリングや心理士によるフォロー体制が必要ですので、指定された専門機関でのみ実施されているのが現状です。
 出生前診断の技術が進歩する一方で、中絶などにも直接的に関係することなので、倫理的な面からも賛否両論あります。あくまで、ダウン症などの先天的な症状があるかどうかを知り、出産した際にどのような準備が必要であるかを検討するためだけに利用してほしいものです。
 担当医に相談し、よく理解したうえで検査に望まれることをお勧めします。




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