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第43回:心を感じ取る力


 「みんな疲れたみたいだから、ここでちょっと休憩!」グループリーダーの声でハアハアと息をきらしながら集まった笑顔いっぱいの子どもたちが、一気に水筒のお茶を飲み始めました。これは、NET(Nagisa Enjoy Time)の一コマです。これまでも1年生から6年生までの異年齢グループで掃除や朝の集会活動を行っていたのですが、「もっとみんなで楽しいことがしたい。」という子どもたちの思いで始まった昼の遊び時間。鬼ごっこの最中に誰も疲れたとは言っていないのに、リーダーは、下学年の様子を見て判断したのでしょう。タイミングよく休憩時間をとりました。このような相手の心を感じ取る力は、どのようにして身につくのでしょうか。


●異年齢の友だち

 人の行動の意味や思いを理解するには、人へ共感や思いやりが必要です。人が感じるように感じるためには、同じような経験があると自分と人を重ね合わせることができます。ところが、ある調査によると、30年前の子どもと今の子どもは大きく違っています。たとえば、放課後の遊び相手の中に、「年下の子」や「年上の子」が一人もいないと応えた子どもは、男女共に半数を超え、異年齢で遊ぶ機会が著しく減っていることが指摘されています。
 一方、遊び相手として「同じ学年の子」と遊ぶ割合が増えていることから年齢の違いによって言い方や行動をかえたりするなど、相手の心を感じ取ることを学ぶ機会は、さらに少なくなっていると言えます。


●子どもの幸せ感

 学童期の子どもたちにとって「幸せになるために必要だと思うものは?」と聞くと、一番多いのは「友だち」です。お金や勉強のことよりも大切なものだと考えている子どもは、年々増え続けています。友だちが、子どもたちの心の大きな部分を占めているにもかかわらず、「親友と真剣に話ができる。」と答えた子が意外に少なく、ぶつかり合ったり、争ったりすることを避けているようにも見えます。


●人との関わりが多い環境

 携帯電話やスマートフォンが広く普及する時代にあっては、あえて、直接会って、顔と顔を見合わせ、声に出して話し合い、関わり、遊び、交流する楽しさや喜びを何度も何度も経験させることを意図したいものです。NET(Nagisa Enjoy Time)もその一つ。授業の中にグループでの話し合いの時間を位置づけることもその一つ。
 学校も家庭も人との関わりが多い環境をあえて創りだしていかなければなりません。




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