message for kids

第28回「体験」がもたらす子どもの成長


 いじめなどの青少年の様々な問題行動を耳にすることが多く、胸を痛めることの多い昨今です。それら問題行動の原因の一つに、かつて当たり前に行われていた自然体験や社会体験を通して成長する機会が少なくなってきていることが挙げられると言われています。
 子どもにとって「体験」とは心身の成長にどのような効用があるのでしょうか。 

●民宿に泊まる 

 今や体験型の修学旅行が多くなりました。今年、本校では三泊四日で学級単位に分かれて民宿に泊まる旅行をしました。
 旅行前には、ホテルや旅館に宿泊する場合との違いを話し、サービスを受けることなく自ら行動することの大切さを説いたものです。初日、食事が済むと片づけもせず立ち去ろうしていた子どもたちでしたが、そのうち上手にグループ毎に食べたあとの片づけをするようになります。三日目には、およそ五分もかからないほどに手際よくできるようになり、気が付けば、机を拭いたり座布団を片づけたり。
 してもらうことが当たり前の我が家での暮らしだったと気づき、やがて家族への感謝の気持ちを口にするようになります。
 

●荷物の整理と忘れ物 

 集団での体験活動で引率教師の頭を悩ませることの一つに荷物の整理と忘れ物の多さがあります。風呂上がりの脱衣所では下着や靴下の忘れ物がつきもの。ところが、そのような心配は杞憂でした。一年生から自然体験宿泊学習を重ねてきた本校の児童にとっては、自分の持ち物を管理することは自然の振る舞い。「体験」を積み重ねることで身に付く力は本物です。
 

●本物に感動する 

 学芸員さんの説明の後、緩やかにうねる地層を見た途端、崖に登り化石の発見に躍起になる子どもたちを見て、「この子どもたちは、すごい。」とは、バスガイドさんの言葉。これまで案内した子どもたちの多くは、興味・関心をあまり示すことなく通り過ぎたとのこと。これまでの経験の中から本物の中に宝物をいくつも発見し続けてきた子どもならではの姿でした。
 文部科学省の「体験活動の意義」『体験活動事例集―体験のススメ』によると、自然体験の多い子どもに道徳観・正義感のある子どもが多いことや体験の後、勉強にやる気がでた子どもが増えるとの調査結果もあるほどです。「体験」は、人間力の育成に不可欠です。
 



nagisa_foot_3