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第19回「好奇心こそが成長のもと」


 現代の暮らしは、数十年前とすっかり様変わりしてしまいました。携帯電話の普及やネット環境の整備など、加速度的にさまざまな便利さが追求され、氾濫する情報の選択に人々は時間の浪費を余儀なくされているような気がします。また、便利さの代償に人の感覚があまりにも鈍くなってしまったようにも思えます。 
 子どもたちは、とにかく「早く」することを促され、「結果」を求められる。目の前には好きなものが並べられたり、何でも手に入ったりする。○○したいという欲求、すなわち好奇心こそが子どもの成長のもとであるはずなのに、それが抱けない危機的な状況にあるように感じます。 

感性を磨くために 

 子どもたちの何を鍛えたらいいのでしょうか。あふれる好奇心を育むにはどうしたらいいのでしょうか。 
 それには、子どもが「感じる力」をフルに使って体験することを大切にしなければならないのです。五感をひらき、感覚を研ぎ澄ますような体験をできるだけ味わわなければならないと思うのです。  
 群れ遊びなどのさまざまな遊びはふさわしい体験です。また、自然の中で生き生きと過ごすことも極めて貴重です。草木や虫に触れ、花の匂いや美しさに誘われる。波の音に耳をやり、そよぐ風に胸を躍らせる。夕焼けに心寄せ、一日の移ろいに思いを馳せる。疑似体験ではなく、本物を体験することが子どもの感性を磨くことに結びついていくはずです。 
 感性は、心を揺さぶり、発見を生みます。発見は学ぼうとする心につながります。それが知りたいとか試したいという好奇心となっていくのです。 

急がずに… 

 子どもの成長の速度は、一人ひとり異なります。まさしく「十人十色」です。自分から進んで感じ取ろうとか、学ぼうとするときにこそ、子どもは成長を遂げていきます。大人がせかしたり、周囲が期待をかけすぎたりしたのでは、子どもに本当の支援をできるはずがありません。 
 子どもの体験は知らず知らずのうちに身体にしみこんでいくと信じ、豊かな感性に支えられた、好奇心旺盛な子どもたちに育てていくことが私たち大人の使命のように思います。急ぐことなく…。




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