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第16回「子どもを伸ばすほめ方と叱り方」


子育ては親育て   

 私は子育てについて保護者と話すとき、「子育てというのは間違いなく親育てですよ」と、常套句のように話します。時には「子どもによって自分が育てられていることを感謝しましょう」と話すこともあります。わが子がこの世に生まれてきたことの感動をはじめとして、子どもは親に対してたくさんの幸せや喜びを与えてくれます。ところがその一方で、子育てにはつらいことや苦しいこともあります。親の思い通りにいかないとき、落胆したり、大声で怒鳴ったり…。子どもに心を揺るがせ、新たな自分に気づかされるのです。親の自分が育まれているのです。 

大切なのは「自尊感情」 

 子育ての中で親はいろいろなことを子どもに教えようとします。他者への思いやり、様々なルールを守ること、将来につながる学力などたくさんのことがあります。しかし、何よりも大切なのがそれらの基底になる「自尊感情」なのです。「自尊感情」とは、自分を好きになり、自分のいいところを認められるということです。自尊感情を持った子どもは、さまざまなものにやさしく包み込むような気持ちを持ちます。他人を思いやり、尊重できるようになるので、協調性や社会性などが育まれていくのです。そして、自分の価値を見出す力を身に付け、自信を持って前向きに取り組んでいきます。 

「私は…」を伝える

 自尊感情を高めるにはどうしたらいいか。それは、自己肯定感を高めることです。子育ての中で、ほめること、叱ることは自己肯定感を高める上で重要な意味を持ちます。「(あなたは)すごいねえ」「(あなたは)どうしてあんなことするの」といった断定的な相手の評価は子どもにある程度の力を付けさせます。しかし、それだけでは子どもは磨かれていきません。親が発する言葉の中に、親の想いが込められていないからです。例えば、「すごいねえ。(お母さんは)とてもうれしいわよ」「どうしてあんなことするの。(お母さんは)とても悲しかったわ」と言うとどうでしょうか。事実に対して一方的な言い方ではなく、親の気持ちを伝え、想いを添えることで、子どもも親の想いを受け止め、自己肯定感が高まるはずです。「私は…」という想いを伝えたほめ方と叱り方は、自尊感情という大切なものを育むことになるのです。どうぞ、心がけてみてください。




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