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第13回「子どもの自立を育む」


「つ」のつく年齢までに   

 当たり前のことですが、子育ては子どもの将来的な自立を思い願って行うものです。幼い時から子どもを愛玩し、親の思いどおりの子どもにするために子育てをするのではありません。一人の人間として幸せに生きるために、さまざまな力をつけさせることが親としての務め、子育ての主眼なはずです。 
 そういう意味において、俗に言う「つ」のつく年齢(九歳)までに一通りのしつけは終えておきたいものです。 
 例えば、「おはようございます」という挨拶。子どもが目覚めてからちゃんと親に向かって言えていますか。 
 例えば、お箸の持ち方などの食事のマナー。ちゃんとできていますか。 
 こうした理屈抜きで身に付けるべきことはほかにもありますが、大きくなってからそのしつけの意味を納得すればいいことなのです。「つ」のつく年齢までに、半ば強制的に身に付けさせたいことについて、親は踏ん張らなくてはなりません。 

「どうするの?」を促す 

 しかし、自我が芽生え、親への反発心が出てくる頃になると、「こうしなさい」という言い方が通じなくなるようになります。命令口調が子どものやる気を削ぐことにもなりかねません。 
 あるご家庭での話です。五歳ぐらいから小学校低学年ぐらいまでの間、お母さんは意識して子どもに対しての接し方を工夫したそうです。 
 お手伝いを必ずさせるようにしていたそうですが、これをしなさいという口調で子どもに迫らず、「お洗濯ものをたたんでくれる? それともお風呂を洗ってくれる?」などと二者択一であったり、「何を手伝ってくれる?」と考えさせたりする問いかけをしたそうです。すると、期待以上のお手伝いぶりを見せたそうです。もちろん、お母さんは「ありがとう」を添えました。
 一例を紹介しましたが、その結果、指示を待ってから行動するようなことが減ったり、責任を持って行動するようになったりしたということをお聞きしました。 
 「どうするの?」と、子ども自身に考えさせることは重要なことです。こうした積み重ねが、自発的に物事を処理する力になり、自立に不可欠な意志の強さに結びつくのだろうと思います。 

自信をつけさせる  

 子どもは自分で選択し、考え、行動したことの成功体験の積み重ねを自信に変えていきます。大人が思う以上に時間がかかるプロセスですが、子どもを信じましょう。きっとこれが、自立へとつながっていくはずですから。




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