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第11回「親の役割、役目とは…」


人として大切な学び 

 なぎさ公園小学校では、1年生から「命の大切さ」や「人権」について考える授業にとりくんでいます。授業の内容には、男女のちがいについて理解を深めるいわゆる「性教育」の分野も含まれていますが、その学びは互いを大切に感じるための入り口となっています。2年生では、生活科の学びと連動して、自分が家族や周りの人の協力で育ってきたことに気付き、いろいろな家族の形態についても知る授業をしています。 

意味ある他者 

 子どもが育つうえで、まわりの大人の応答は大変重要な意味を持ちます。赤ちゃんは自分の泣き声に反応して近づき、あやし、笑いかけたり、話しかけたりする人に対して、「意味ある他者」という理解をし、信頼を置いていくのです。このような子どもと大人の応答関係は、乳幼児期から児童期を経て、成人してもなお続いていくといっていいでしょう。 
 親は、「共に生活し子どもを守る保護者」としてだけでなく、時に子どもの模範となり、時に子どもに教えられ、意味ある他者として共に育っていくものなのかもしれません。 

子どもは親の所有物ではない

 つまり、子どもはすでに一人の人間として生まれており、母親、父親としてなすべき「子育ての責任や義務のあり方」を考えるとき、一人の人間に誠実に向き合う姿勢を忘れてはならないのです。ポーランドで生まれ、ナチスドイツにより収容所で亡くなった教育者・医師のヤヌシュ・コルチャック氏(1878〜1942)は、次のような言葉を残しています。「私の子ども…いや、何ヶ月の長き負担といえども、そして、数時間の長き出産といえども、子どもはあなたのものではない。」そして、レバノン生まれの詩人ハリール・ジブラーン(1883〜1931)は、「子どもについて」という詩の中で「あなたがたは彼らに愛情を与えうるが/あなたがたの考えを与えることはできない/なぜなら彼らは自分自身の考えを持っているから」と語ります。 

いのちのバトンをつなぐ 

 本校の高学年の学びにおいては、自分も「命のもと」を持っている=いのちのバトンを渡されている一人の人間であると自覚する授業が行われます。両親、祖父母みな、尊い命をつなぐ尊い役目を果たしてきたことを知り、自他の生命を大切にするという意識を高めていくのです。子どもに接するとき、父母のそれぞれの役割をふまえながらも、究極の協働の役目として、命の美しさ、尊さを共に伝えていくことを、忘れずにいたいものです。




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