実践_岸畑式教育方針

第6回:比べない子育て


 各家庭の最大の苦しい課題が「比べない子育て」ではないでしょうか。きょうだいは、似ている他人と言います。親にとって、子どもは、みんな「いっしょ。」という思いが、子育てを難しくしているのです。きょうだいが似ている他人と言える例を挙げてみましょう。
 長男・長女の出産時には、ミルクの適温を温度計で測りましたが、次男・次女の出産時には、手の感触で測りました。また、長男・長女は、幼児教育を受けたが、次男・次女は、受けなかったというのです。こうした家庭から生じることは、「お姉ちゃんは、…なのに、○○ちゃんは…。」「お兄ちゃんは、あなたと同じ頃にはできたのに、あなたは、まだできないのね。」
 よくある日常会話です。この時のお子様を考えてみましょう。「お兄ちゃん(お姉ちゃん)ばかりほめられていいな。」という感情を抱き、表情には出さないが、「自分は、だめなんだ。」という気持ちにさせています。ここで言えることは、後天的環境が違えば、きょうだいとはいえ、別々の人格をもっているわけだから、それぞれの良さを見つけ、その個性を伸ばしていくことが重要だと言えます。
 それぞれの個性をしっかり見つめて子育てをしている栗川家と石田家を覗いてみました。
 栗川家の学習テスト結果については、怒ったり・責めたりを絶対にしないことです。それは、自分自身が、一番よく分かっていることだから。兄は、何を言われても気にしないタイプだが、真ん中の長女は、繊細な性格で心を痛めるタイプ。次女は、幼ない部分が抜けないで、けろっとしている。だから、一人ずつ違った言葉掛けに気を配っています。「妹たちをよろしくね。」と、長男に伝えます。「妹を見てくれてありがとう。」と、長女に気持ちをこめて伝えます。次女には、「よかったね。」と伝えます。  石田家の兄は、行動派で、弟は、マイペース派です。二人を比べては、可哀想になることばかりです。でも、「お兄ちゃん、また、誉められたよ。」と弟に話すと、「僕のお兄ちゃんかっこいい!」と答えます。兄にも、「『弟もお兄ちゃんみたいに、なりたいよ。』と話してたよ。」と伝えます。
 自分は、けなされているという気持ちにさせない「嘘も方便。」「嘘も使いよう。」でいいのではないでしょうか。比べてしまったら、それ以上の良いところを言葉にして伝えようとしています。もし、他の子と比べて自分の子が出来ないと気付いたら、出来る子の方を「すごい。」と感じ「○○君は、漢字を書いてる。すごいね。」と言います。他人を認め、自分も頑張ろうと考える方向につながっています。
 栗川、石田式の比べない子育てを例にしましたが、人と比べない子育ては、至難の業です。
 誰もが特別であり、誰もがナンバーワンです。お母様は、プラスの個性を頭に入れて、比較表現を口にする時には、一呼吸置いて比べるから解放されるように意識しましょう。「絶対に、あなたが好きよ。」「でも(下の子)○○も好きよ。」と、それぞれの良さを認めて、きょうだいは、それぞれが「一番」であることを伝えましょう。
 最後に、お母さん自身が、ナンバーワンになってください。





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