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第24回:産後うつ病とは?


「産後うつ病」は、出産数か月の間に、
気分の落ち込み、育児疲れでは説明できない全身疲労感や不眠、食欲低下、体重減少などが徐々に悪化していくため、
早い時期に専門医に相談し、治療を受ける必要があります。
産後は女性の人生の中で精神的な不調を起こしやすい時期の一つですが、
わが国では、そうした情報が広くいきわたっていないのが現状です。

 産後うつ病のお母さんは、心身の不調によって家事や育児が思いどおりにできなくなるため、「私はだめな母親だ」と自分を責めたり、自信をなくしたりします。産後うつ病の症状の特徴として重要なのは、育児不安が強くなることです。そのため、赤ちゃんの健康状態に過敏になり、問題なく育っていても「ミルクの飲みが悪いのでは?」「どこか具合が悪いのでは?」という思い込みが強くなります。それが高じて「赤ちゃんに重い病気や障害がある、無事に育たない」と確信し悲観的になったり、うつ病の症状で最も深刻な希死念慮(死にたい気持ち)が起こってくると、絶望感に襲われて赤ちゃんを道連れに自殺に至ることもあります。また不安や自信喪失のため、赤ちゃんのことをかわいいと思えなくなり、その存在をわずらわしく感じたりすることもあります。それが乳児期の母子間の愛着形成を障害し、将来的に子ども虐待のリスクを高める場合もある、ということが問題視されています。
産後うつ病のお母さんたちは、症状に苦しんでいても、なかなかそれが病気のせいだとは思わないものです。疲労感、不眠、食欲不振といったうつ病の身体症状は、出産後の疲労や慣れない育児によるものと考えてしまいますし、強い育児不安や子どもの発育状態に関する心配、罪責感、自信喪失といった精神症状も、単なる育児ストレスによるものではないかと、本人も周囲の人も思ってしまうからです。
産後うつ病の予防は、頑張りすぎず、疲れないようにすることです。治療はうつの重症度によって異なりますが、まず昼夜を問わず、できるだけ睡眠や休息、運動、規則正しい食事をとり、楽しめる時間やリラックスできる時間を持つようにしましょう。家事や買い物、子どもの世話は他の人に助けてもらってください。お母さんや赤ちゃんの命が失われる悲劇を起こさないよう、また母子間の愛着形成を阻害して子ども虐待のリスクを高めることがないよう、早期発見、早期治療が必要です。身近にいるご家族、産科医、助産師、小児科医、保健師、誰にでもいいから、相談してみましょう。周りの方たちに赤ちゃんのお世話を手伝ってもらいながら、精神科で治療をすれば、産後うつ病は必ずよくなります。
 産後うつ病のスクリーニングとして「エジンバラ産後うつ病問診票」があります。広島市では2017年10月以降に母子手帳を交付された方には助成金が出るシステムとなっていますのでご利用下さい。





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