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第36回:子どもの心の成長


 人の心は、直接見ることはできません。しかし、発する言葉や行動を見ることによって、その人の心の様子を理解することはできます。あたかも、ゆれる木々の梢を見て外に吹く風の強さがわかるのと似ています。それゆえ、私たちは、人の言動を注視します。表面に現れる行為のみに心を奪われてはなりません。行為の向こうにある心を理解したいものです。


●伸びようとする芽を大事に

 ある時期、幼子が「○○ちゃんがする」と言って、何でも自分でやりたがることがあります。できないだろうと自発性の芽を奪い、成長の機会を失わせるようなことがありはしないでしょうか。させてみて、その成長を喜んだり、「助かった」と言って感謝したりすると、子どもは、「自分でできた」「人の役にたった」「喜んでもらえた」などとうれしい感情とともに自分の行為を肯定的に見ることができます。次もやってみよう、今度はもっと難しいことにも挑戦しようという気持ちになれば、何よりうれしいことです。自信という心の宝物が増えていくにちがいありません。


●よりよく生きることの体験

 3泊4日の修学旅行で民宿にお世話になる本校では、短期間のうちに子どもたちが著しく成長する姿を見ることができ、毎年感動します。成長を促す1つの理由には、ホテルや旅館のようなサービスを受けることなく、自分たちでできることを自分たちで工夫してやりきる経験があることでしょう。たとえば、食事係。食後の片付けも最初は全員で取りかかっていたところ、分担と責任をはっきりさせて効率よく安全に片付けるための工夫を子どもたち自ら発案し見事にやりきります。食事係だけではありません。どの係りも予定通りの仕事をこなすだけに終わらず、その都度、話し合い、提案し実行していきます。課題に気づき解決策を生み出す知恵や物事を工夫する力は、実は、教室の学習で培われることでもあるのです。


●人は心で動く

 成長する理由の2つ目は、民宿のお父さんお母さんの温かいもてなしに対する感謝や人の役に立ちたいとの想い、よりよく生きることの心地よさを実感するからに他ありません。「人は、心で動く」とはよく言ったものです。相手の身になって行動することの喜びを知らずして思いやりの心を育てることはできません。人が、自発的によりよく生きようとするとき、自分や周りの人を大事にしようとする気持ちが自然に備わるのだと教えられた想いです。







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