message for kids

第35回:遊びがもたらす可能性


 子どもにとって小学校に入学して一番の変化は、自由遊びの時間が極端に少なくなることでしょう。卒園した3月と入学した4月とで大きな発達上の変化はないにも関らず、これまでの遊び中心の生活から学習中心の生活に変わること、これが小1プロブレムということばを生み出した要因の一つなのかも知れません。小学生にとっての遊びの重要性や可能性について考えてみましょう。


●遊びの変化

 ある調査によると、小学校男子の人気の遊びは、年齢を問わず、今やテレビゲームや携帯型のゲームです。また女子では、低学年では、お絵描き、人形遊びですが、年齢が上がると男子と同じくゲームが上位を占め、今や男女を問わず子どもの遊びの中心は室内の遊びになっています。


●遊びの大切さ

 遊びは、自分が好きなことを思いっきりやり、その満足感で大きな達成感が得られます。それが子どもにとって自信の源となり、さまざまなことに挑戦する意欲や勇気をもたらします。
 また遊びは、仲間がいることで深まり、仲間に認められたり、仲間とぶつかったりしながら子どもたちが他者との関係を上手につくっていく社会性を培う役割もあります。さらには、自分の心との折り合いをつけるという自己コントロールの力も遊びを通して自然に身につけていくこともできます。このように、お稽古や習い事で外遊びの少なさを運動の経験として補うだけでは十分とはいえません。


●よく遊び、よく学べ

 子どもたちの現実を見ると、学校ではこれまで以上に教科の中に遊びの要素をとり入れ、自発的な遊びの場を創り出していかなければなりません。
 なぎさ公園小学校では、一年中緑の芝生グランド、メダカやヤゴのすむビオトープ、すぐ近くにある公園や川、河口の干潟、自然環境に恵まれた立地条件を生かした学びが可能です。開校時から体育科授業の中に「みちくさ」「冒険あそび」などの時間を設けて遊びの重要性に着目したカリキュラムを編成したのも子どもたちの生活の変化を見通していたからにほかありません。四季折々の野遊び、伝承遊び、体と体をぶつからせて遊ぶ鬼ごっこや相撲など、一年を通じてしなやかな創造性と判断力、協調性、社会性、自主性を育んでいます。卒業生が中学生になっても、遊びに来て懐かしそうに、はだしで走り回ったり、寝転んで芝生の匂いをかぎに来たりするのもうれしい姿です。

[参考]:「遊びが深まる」東京学芸大学教授 蔵持清美






なぎさ公園小学校_渡邊校長_プロフィール0630