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第30回 「あきらめない心」を育てる


 以前、幼稚園の教諭を対象とした調査結果を聞いたことがあります。今の子どもたちを見て気になることの一つに、「忍耐力がない子が目立つ」ということがあげられていました。将来、大きな問題に出会ったとき、苦しさに耐え、何とか乗り越えることができるような忍耐力やあきらめない心、頑張る力が求められます。どのようにして育んでいけばよいのでしょうか。 

●うまくいかない経験こそ宝 

 この世の中、いつも自分の思い通りにことが運ぶとは限りません。むしろ、うまくいかないことの方が多いかもしれません。
 例えば、学校でよくある困りごとの一つ「忘れ物」。「また、忘れたの。困った子ね。」などは、最もいけない言葉かけです。これでは、自分は忘れ物をする困った子と認識して、頑張る力が失せてしまいます。また、周りの大人が失敗させまいとして、あれこれ手助けをし過ぎると、自分でできたという喜びや自信を持つことができません。
 こんな時「どうして忘れたのか思い当たることある?」と尋ねると、自分の行動を振り返り、失敗を防ぐ作戦を思いつくことがあります。実行して、うまくいけば、自分の行動から成功へのヒントを見出すという貴重な学習になります。たとえ、うまくいかなくても、失敗から学び、たくさんの解決方法を持つことができるのです。
 

●我慢する力も大事 

 何かを成し遂げようとする時、例えば、スポーツの場合、どのような競技でも栄冠を手にするのは、限られた人々。競技者の多くは、努力が報われないことの方が多いでしょう。困難を克服しようとすると、我慢が必要になります。我慢は、何かをあきらめることではなく、しばらく待つことだと考えるとどうでしょう。もう少し頑張ってみようと思えるよう、子どもたちには、待つことの値打ちを伝えたいものです。
 

●成長した自分に気付く 

 物の見方、考え方は周囲の大人、つまり教師や親の言葉かけが影響を与えると言われています。
 いけないことをして指導を受けた子がいました。自分を振り返り、何が悪かったか気づき、反省もしました。話し合いが終わた時、「ご指導ありがとうございました。」と言って、すくっと席から立ちあがり、深々とお辞儀をしました。あまりの潔さに感心して、「したことはいけなかったけれど、今のあなたは、たいそう立派です。」と褒めました。
 子ども時代は、失敗をしながら、素敵な大人になる時期です。失敗を恐れない勇気としなやかな心を育んでいきましょう。
 



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