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第15回:クリティカルシンキング– 批判的思考



 急速に変化し続けている世の中において、私たちは一体何を学ばせるために子供を学校へ行かせているのでしょうか。子供たちは学んでいます。しかし子供たちが学んでいる内容は、今の時代ネットで検索すれば出てくるであろう内容を多く含んでいます。親は子供が何を学んできたかよりも、むしろ学んだことで何ができるのか、またどうすれば子供たちは自分たちが生きている世界を深く理解できるようになるのか、ということにより関心を持つべきではないでしょうか。
 科目ごとの内容を超えて、全ての科目においてカバーされるべきスキルがあります。そのスキルの一つがクリティカルシンキングです。クリティカルシンキングスキルにより、情報の裏側で意図している内容にまで敏感になることができます。クリティカルシンキング(批判的思考)という言葉は、和訳では少し否定的な意味合いを含みますが、英語では否定的な意味合いはありません。ピッタリの和訳ができないことにより、クリティカルな思考を学校授業へ取り入れることに少し複雑な感情を抱かれる方がおられるかもしれません。
 クリティカルシンキングとは、何か粗を探すとか、間違いを批判することではありません。コミュニケーションとは、自分が意図したいことを伝え、説明することだと思います。クリティカルシンキングスキルを磨くとは、容易には理解しにくいメッセージの中にある、微妙に意図されたことを見抜けるようになることです。
 いかなる形であれ、コミュニケーションはある程度、意図的に自分の意思が伝わるように行われますが、聞き手によってそのメッセージはさまざまな形で解釈されることがあります。子供たちが世の中を理解しようとするならば、やはりあらゆる側面から批判的に考えることが必要なのです。
 現在、日本国内で国際バカロレアが注目を集めています。それに伴いクリティカルシンキングの理解が深まり、クリティカルシンキングのティーチングスタイルがより取り込まれることになるかもしれません。
 クリティカルシンキングスキルは、子供たちにもっと自由な形で物事を理解する力を育んでくれます。しかし自分が発する内容を考えることや、自分が発する言葉や先生が言われる事柄への疑問を持つなど、子供たちにとってはチャレンジになることでしょう。講義形式や記憶重視型アプローチではクリティカルシンキング能力は育ちません。これからの子供たちが、このグローバル社会を生き抜いていくには、あらゆる角度から物事をとらえ、批判的に考える力を育むことが求められるのではないでしょうか。



35_広島インターナショナルスクール_ダミアン校長