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第13回:目につかない文化



 文化間の違いというのは明らかに存在しますが、実は私たちが思っている以上に似通った点も多いのです。このことを理解するために、子供たちは、自分自身のアイデンティティーを認識し、文化のより深い意味を調べ、学ぶ必要があるのです。子供たちは表面だけ見るのではなく、自分が個人として誰なのか、自分が人類として仲間と何をシェアしているのかを深いレベルで探求する必要があるのです。このようなリサーチから学ぶことが、より平和で持続可能な世界へと導いていくステップにもつながっていくのです。

 氷山はほんの一角だけが実際に目にすることができる部分ですが、文化にも同じことが言えます。目に見えていない部分とは、無意識に認識している部分です。このように文化を考えることは、無意識の文化表現をより目につくようにさせ、理解しやすくしてくれます。表面上の文化として、例えば言語、文学、祭り、食べ物、宗教、着る物、美術、音楽があげられます。これらは見ることができ、耳にすることができ、すぐに感じることができます。しかし、文化という氷山の下には、考えたこともない、それゆえに気付くこともない文化の側面があるのです。文化の奥深い所に隠れている側面には、例えば時間の観念、個人の空間観念、論理観や正しさの概念、礼儀、謙虚さや情緒の概念などが考えられます。
 感情をジェスチャーで表現する感覚、空間観などの文化的違いは、表面的に目にすることのできる食べ物、旗、祭りなどの具体的な事物よりも説明が難しいのです。

 子供たちが、表面的に見つけることができる事柄を超えて、多文化に触れる授業を経験するには限りがあります。なぜなら水面下に隠れている文化の側面を、単純な事柄に凝縮させることは簡単ではなく、より深い理解を必要とするのです。個人空間観などの説明は、言葉で説明するのが難しいので、教科書に載せることも困難です。
 しかしながら、より平和な世界の実現へ向かうには、お互いに理解しあうこと、表面上目に見える事象を理解するだけではなく、何が我々の人格を形成しているのかを理解することは必須です。深い所まで見ていくと、異なる点と同じように、似通った点も見つけることができます。同じ人間ということで、信じられないような繋がりを見出すこともあります。
 より平和で持続可能な地球を維持するには、我々が文化の深層部まで追求し、地球規模で物事を考え、理解し、全世界みんなが、同じ人類として繋がっていると理解することが必要なのです。


35_広島インターナショナルスクール_ダミアン校長