グローバルキッズ育成法

第10回:あるべき学習者像



 全ての経験がそうであるように、教育上の経験は子供に影響を与えます。親が最も悩むのは、子供にどんな経験をして欲しいかだと思います。学校での小さな経験の積み重ねが、子供の人格形成にゆっくりと影響を及ぼしていくのです。国際バカロレア(IB)という国際カリキュラムには、あるべき学習者像が明確に定義されており、子供が学校で体験するべき、教育的経験の手助けとなる10の特性を示しています。ここでは、そのうちの5つを紹介させていただきます。

知識のある人:私たちは、概念的な理解を深めて活用し、幅広い分野の知識を探求します。地域社会やグローバル社会における重要な課題や考えに取り組みます。

コミュニケーションができる人:私たちは、複数の言語やさまざまな方法を用いて、自信をもって創造的に自分自身を表現します。他の人々や他の集団のものの見方に注意深く耳を傾け、効果的に協力し合います。

心を開く人:私たちは、自己の文化と個人的な経験の真価を正しく受け止めると同時に、他の人々の価値観や伝統の真価もまた正しく受け止めます。多様な視点を求め、価値を見出し、その経験を糧に成長しようと努めます。

思いやりのある人:私たちは、思いやりと共感、そして尊重の精神を示します。人の役に立ち、他の人々の生活や私たちを取り巻く世界を良くするために行動します。

挑戦する人:私たちは、不確実な事態に対し、熟慮と決断力をもって向き合います。一人で、または協力して新しい考えや方法を探求します。挑戦と変化に機知に富んだ方法で快活に取り組みます。

 これらの特性を育てていくことが、国際教育を受ける上での要となります。国際教育を考える時、外国について知ることと考えがちです。しかし、国際教育とはもっと個人レベルのものなのです。自分が誰なのかを知り、世界をより良くするため、より平和にするために何ができるかを考えることから始まるのです。前記の特性は、学習者のための道しるべのような物です。まずは、自分がどんな人間になりたいのか、どのようなインパクトを世界に与えることができるのかを考え、学習を進めていくべきです。それから、自分の周りの社会と、この広い世界を結びつけていくのです。それでは、この特性の中に、自分の子供には不要と思われる項目があるでしょうか。例えば「知識のある人」と「思いやりのある人」を考えてみましょう。幅広い分野の知識を持ち、理性的で倫理的な判断を下すことができても、他人を思いやり、尊敬することができなくて、世界を良くするために行動することができるでしょうか。国際社会を生きていくこれからの子供には、これらの特性をバランスよく身に着けていくことが求められているのです。


35_広島インターナショナルスクール_ダミアン校長