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第9回:子供の世界と言語学習



 小さい子供たちは、探求を通して言葉を発達させていきます。ほんの束の間子供たちと一緒にいるだけで、子供たちが「why(なぜ)」「when(いつ)」「where(どこ)」「who(誰)」「how(どのように)」それからさらに「why(なぜ)」という疑問を常に抱いていることに気付くでしょう。子供たちが自分の世界を築いていく上で、他人や他の世界と交わる能力を身に着け、探求者として関わっていくことは重要です。我々は子供たちの質問を真剣に受け止め、子供たちの世界に興味を示しながら会話に入っていきましょう。

 幼児教育の一つであるレッジョ・エミリア・アプローチでは、大人社会の簡略版として子供たちの世界を理解するのではなく、子供の世界を大人の世界と同じぐらい豊かで最も有意義な幼児期の財産として捉え、もっと積極的に興味を示し理解するよう努める必要があることを強調しています。大人にとっては、子供の「why」「when」「where」「who」「how」の疑問に対処するのはチャレンジでもあります。子供たちの理解力を考え、簡単に答えたくなるものですが、これを子供の世界を探る貴重な機会と捉えるべきなのです。

 小さな子供がある機械を見ているとします。そしてどのように動くのかを尋ねてきたとします。彼らが探求する手助けとなるにはどのように答えてあげればいいのでしょうか。我々の世界を子供たちに説明するよりも、むしろ彼らが作り上げてきた世界を理解しようと努める必要があります。何に疑問を抱いているのか、このテクノロジーが一体この子の世界では何を意味するのだろうかと。機会さえ与えれば自分たちの世界を説明するため、子供たちは最大限自分の言語能力を使おうとします。自分の世界が複雑になればなるほど、大人に説明するのにより複雑な言葉が必要となってくるのです。

 まずは質問をすることで子供社会に飛び込んでみましょう。質問を投げかけることにより、もともと複雑な子供の世界観を探る助けとなることでしょう。そして、少し背伸びをした言葉を使うよう促してみましょう。探求と言葉を学ぶことは並行して発達していきます。

 子供たちは我々大人に自分たちの世界を理解して欲しいと思っています。大人は子供たちに彼らの世界を説明するチャンスを与えてあげる必要があるのです。変化し続ける、彼らのユニークな発想の、複雑な子供の世界の話に耳を傾ける時間を作ってあげるようにしましょう。


35_広島インターナショナルスクール_ダミアン校長